「ちろちゃん」1巻(結城心一)

里見英樹系の萌え4コマ作家の第一の使命は、クールであることだと思うのです。
そうしたときにこの作品は、下ネタの遣い方がいまいち、という気がする。
下ネタ・エロネタというのは、厨房の俺理論を軽々粉砕する手段として非常に有用なのに、この作品ではいまいちそういう目的で遣いこなせていないように思えるのです(別の言葉で言えば、この手の萌え4コマにおける下ネタ・エロネタは、作者の頭を良くみせるためにあるべきだ、ということ)。
同じ観点で言えば、一方で、くしちゃんは非常に良かったです。
補足。
厨房の俺理論を強く支持する立場だからこそ、厨房の俺理論を軽々粉砕する作品は(ある面において)支援するべきだと思っています。なぜなら、「粉砕する」という行為が、厨房の俺理論が有意味な(考察と追究に値する)ものだと人々に認識させるからです。さらに、厨房の俺理論の重要性に目覚めた人々の試行錯誤によって、より優れた厨房の俺理論が生まれ、共有されることも期待されます。