「ガンガンJOKER」2009年5月号

きららフォワードを買う気力を失ったので、かわりに新創刊のこれを買ってみた。表紙がキャッチーで良い。

「まなびや」(小島あきら

菫さんと霞ちゃんが可愛いですね。
いきなりやりたいことやれとか言われても自分には分からなかった俺マジ無趣味、みたいなことを言っている主人公のくせに、いきなり写真部入部するわ金髪の女の子ナンパするわでやる気に満ち溢れていますね。まあそういう風に漫画を作るのが普通なんだろうからいいんだけれどさー。いつの間にかそういう漫画キャラよりもニートな自分とか発見すると嫌になるという。

妖狐×僕SS」(藤原ここあ

完璧。100点中120点。
特にヒロインの造形が史上最強ですね。マジで世界最強ですね。この最強さは多分偶然が一部絡んでいるので、さっぱりと説明することはできない(少なくとも僕には)のですが、女の子一人称の抑圧問題に少しでも興味がある人は必見です。ちょうかわいいです。
ところで24ページの新刊紹介で、「お嬢様と妖怪執事―藤原ここあ短編集―」のキャッチコピーが藤原ここあ、成長の軌跡。」とあって吹いた。確かに作者萌え的には藤原ここあとか最強ですけど(若い才能というのは欲望されるものですし)、スクエニにそう宣言されてしまうと、え、その、それでいいの? みたいな。アイドルなんだなあ。

「ひまわり」(原作:ごぉ、作画:檜山大輔

こういう話題を面白くしようと思ったらキツい話にすべし、というのが「イリヤの空〜」の教えで、今のところそれを無視しているように見えるので非常につまらないです。特に密度が薄いのが致命的。
あと、世界観統一に力を注いでいないのが痛い。例えば、天文系の話で星座を持ちだされると醒めるのでやめてほしい。オカルトなら星座をネタにするのも別にアリだけれど。

「ダメっ娘喫茶・でぃあ」(柚木涼太)

ヌルい上に、ぬるま湯の心地よさがないので、どうしようもない。
キョドリという着目点は良いのだが、突き詰めようという意思が感じられない。

プラナス・ガール」(松本トモキ

はー。本当にみんな男の子が好きなんですねー。
前も似たようなことを書いた気がするけれど、藍川絆はどこからどう見ても女の子で、槙君という男の子のことが好きで、普通に考えて女の子と違わないです。だから女装少年というのは「実は」という言葉とセットになっています。「実は」という言葉は(登場人物および読者の)認知を規定します。認知のみに作用しているというのが重要で、男の子としての振る舞い、男の子である直接の証拠というのはギリギリまで隠蔽されなければなりません。
エロいとかエロくないかというのは「私は〜ということを知っている」とか「この人たちは〜ということを知らない」とか「公的には〜でないことになっている」とかいうのと関わっているっぽいので、男性向エロは女装少年(あるいはふたなり)が最強、という話になるのかしら。感覚的には分かるけれど論理が詰め切れないので保留。「男だからか、男心をくすぐるツボを心得ている」という妖しさ満点のエクスキューズも多分重要。
……まあ、エロとかマジどうでもいいし、女装少年だったられおん君とかユキちゃんの方が未来っぽくて樂しいですね(と強がってみる)。