「まんがタイムきららMAX」3月号

落花流水」(真田一輝

最近のこの作品には非常にまとめニュースサイト的なものを感じる。
類型にはめ込んだものしか作れないのならば、といったときに取るべき選択の1つではある。悪くはない。とはいっても、まとめニュースサイトは別に好きだと思わないのだが。

ひろなex.」(すか)

僕も中学生の頃は、雪が降ったら親しいクラスメイトと雪だるま作って遊んだり、雪合戦をしたりしていた。
だからというわけでもないが、ひろなの精神年齢が低いというのは、一面的なものの見方に過ぎないと思う。

「ぼくの生徒はヴァンパイア」(玉岡かがり

僕の玉岡かがりに対する態度の変遷:「玉岡かがり? ……あんなやつすぐに潰れるわ!」→「……ふんっ、ちょっとは見るべきところもあるみたいね!」→「勘違いしないでよね、お金が余ってたから、たまたま単行本を買っただけだからね!」→「かがりは、絵柄だっていいし、展開も――な、なんであんたがそんなところに居るのよ! 今の無し! 聞かなかったことにしなさい、分かった!?」
で、最近は、実は玉岡かがりが他の人にも割と評価されているのを見て(殆どまともに感想サイトとか感想スレとか見ていないので知りませんでした)、独占欲を発動している真っ最中です。「玉岡かがりは、あたしだけのものなんだからっ!」
今回も6ページの中にバランス良く収まっているし、キャラクタの配置のバランスも相変わらず光っているし、もしかして「ダブルナイト」をストレス解消にしてこの作品を安定させているんじゃないのか、って真剣に疑いたくなるくらいの、高い調整力です。すばらしい。

「魔法のじゅもん」(あらきかなお

「あれ、1話丸々こんな話でもいいの? 百合漫画なのに」と思ったが、よく考えたらきららMAXは百合専門誌でも何でもなかった。

にこプリトランス」(白雪しおん

何度も言うが僕はこういう話に弱い。弱すぎる。お父さん可愛すぎるよ! しかも攻め顔!
すばらしかった。ぜひまた、翔馬×騎士を見たい。

「R18!」(ぷらぱ

「女性のみで作った」とか銘打って発売されたエロゲがあって、案の定凄まじい地雷だった、とかいう話を昔テキストサイトか何かで読んだのを思い出した。
未だに社内の男性が話題に上がらないということは、どうやらこのエロゲ会社も女性しか居ないらしい。原画や塗りはともかく、シナリオを書いているのがどんな人物なのか気になる。

「そして僕らは家族になる」(荒木風羽

またしても。
「スキっ! キライっ!」に続いて、またしても「恋人になれましためでたしめでたし」が弱いシチュエーション。荒木風羽、狙ってやっているのだろうか。
現在の均衡を一度崩し、然るべき後により安定した状況になるならば、そのまま「恋人になれましためでたしめでたし」で問題ない。が、彩子さんと幸助さんが現在の状況のまま結ばれても、非常に不安定な関係ができるだけだ。しかもそもそも、恋人になるよりも家族になることの方がずっと難しく、ずっと意味が重い。
「家族」の制度的束縛の重さは駄目だ、恋愛関係の無根拠さ・不安定さこそがいいんだ、いっそのこと駆け落ちだ、という立場もあるけれど(通称:革命派)、勿論この作品のタイトルは「そして僕らは家族になる」。となれば逆に、恋愛とかフラグとかは放置しておいて、あくまで「家族」という切り口で問題を作るということも考えられるけれども、それも不自然な気が……とまぁ、そこらへんを解決する手並みについては、荒木風羽は尋常じゃないはずなので、期待しています。

「まん研」(うおなてれぴん

鉄パイプ×石けん、みたいな話をもってやおいのプロは凄い、とするのはどうかなぁ、と思ったりする。
それらを性欲の対象にするというのが凄い、というのは、まぁそれなりに理解できるけれども、別にその人がどれだけヤバいかというのとは必ずしも関係していないよね。
例えば、恐らく「VIPのゆとり」とか呼ばれる人々だったら、鉄パイプ×石けんをネタにして「萌える」ことは可能だろう(男女比や場の空気の都合上、やおいにはならないだろうが)。だからVIPのゆとりは凄いのか? といわれたら、勿論そうじゃなく。