「コミック百合姫S」Vol.3

やっぱ頑張って書く。指示語とうやむやが多すぎて意味不明なのは考えが固まっていないからなのであしからず、というかどうもすいません。
玄鉄絢袴田めらあらきかなお(は今回いなかったけど)が好きすぎて他がかなりどうでもよく感じられてしまうなぁ。

「ひまわり咲いた」(黒柾志西

全体に、いわゆる「百合的に考え込まれた」形だし、絵柄もなかなかだし、かなりよく出来ているとは思うのだけれども、ひっくり返しの部分が微妙に感じました(自分の性格に問題があるのか?)。もうちょっと手の込んだやり方がよかったなあと思うのです。つい認めちゃうひまわり、というのは展開として素直すぎです。
あと、双子の姉妹、2人だけ居れば他には何もいらない的感情というのは捨て去られるべきだ、という一面性はどうなのかな、と思ったり。勿論、「2人だけ居れば他には何もいらない→堕ちていく私たち」みたいなのはつまらなくなりがちなので、それもまた適切な判断であるといえばそうなのですが。

コノハナリンク」(玄鉄絢

ストーリィものの連載にしようとするとこういう引っ張り方になりがちだというのはこの手の百合の弱点じゃないでしょうか。型が狭いと言うか。
なので玄鉄絢は一話読切の方が好きだったりする。
まあまあ、まだ第1話なので、どうなるかは分かりませんが。

「会長と副会長」(袴田めら

>「生徒会って放課後お菓子を食べておしゃべりする部活だと思ってたよー」
そのとおりですよね! すばらしい言葉だ。
今号で一番好きかも。

「花のゆりな組」(小梅けいと

キャラの見た目のアレっぷりが凄い。特にめがねっ娘の人は酷い。酷いが、それはそれで面白いのでよい。

「PIERCE」(倉田嘘

女の子の片割れが「七々原彩吹」という。上の名前には「ななはら」とルビが振っているのだが、下の名前には振っていないので読めない。「あやぶき」?
この名前のノリは西尾に影響を受けていると思うのだが(作者自身の名前もアレだ)、世界観についてはそうでもない。しかも、いい意味でならともかく、悪い意味でそうでもない。うーん、この作品が駄目駄目というわけじゃないんだけれども。
ちなみに、後出しなのでズルい上に作品の内容からさらに外れることになるが、「七々原」なら「ななななはら」の方が強い気がする(「たかまがはら」に連想が飛ぶあたりとか)。
……しかし既に七々見奈波が居たので気が引けて遣いにくいのであった。残念。

「マイナスりてらしー」(宮下未紀

マイナス金運は個人に所属する、というのは非自明ですよね。
例えば、2人が揃うと謎の共鳴が起きてマイナス金運が発生、とか(実際、働きに出に行ったメイドカフェが傾いたわけでもなさそうだし、そちらの方が理に叶った解釈だ)、美晴さんのいつも身に着けている衣装こそがマイナス金運の原因で、衣装を変えればよいとか。
どうでもいいですけど。

そのほか

付録(15人の作家が百合絵を1枚ずつ)は見たが、微妙だなあ、と思った。
その作家についてのあれこれを知っていれば樂しめるのかもしれないが(僕は全然知らない)、それでもまだやはり弱い気が。
一枚の絵で百合を魅せるならば、いちゃいちゃ系よりも心中ノリの方が適切だと思う。

……今気付いたのだがこれは単純にエロ絵なのかもしれない。だとしたら文脈抜きのいちゃいちゃ絵を載せる理由が説明できる。
しかし、あいにくそういうエロ絵を見たくて百合作品を読んでいる訳じゃないので、やっぱりそんなに面白いと感じないのであった。残念。