印象深いラノベの表紙を挙げよ、といわれて迷わず出てくるのは「ヒトクイマジカル―殺戮奇術の匂宮兄妹」と「涼宮ハルヒの消失」だったり(はいはい超有名シリーズ乙)。
2002年の冬、平積みで書店に並ぶ、美しい夕焼け色の「ヒトクイ〜」は忘れがたい。僕は戯言シリーズの後半が好きで、あの、様々なものを投げ捨てて、どんどん軽くなりながら速度を上げていく、ロケットのようなスレスレさは本当に美しいと思うのだけれども、その美しさを象徴する表紙がどれかといえば、それは「ヒトクイ〜」以外にありえないと思う(ちなみに、両面表紙ネタはどうかといえば、うーん、まあ面白いけど、どうなんだろう?)。
涼宮ハルヒの消失」。似た印象の語「憂鬱」「溜息」「退屈」から離れた、タイトルの「消失」。そして、「第3巻まで出た後に第4巻でどのような表紙になるのか、順当に考えれば古泉かな」とか考えていたときに、ネット上の新刊情報で現れた朝倉涼子の、あの表情!(アニメ化のときとかにハルヒシリーズに興味を持った人の多くは、あの表紙のインパクトに気付いていないのだろうなあというのは、ちょっと悲しい――ので、書くことにした)
シリーズにおいて新作を出すことについては、「それまで読者がどのような想いを作品に対して抱いていたかを前提として、その想いをどう崩すと盛り上がるか」という面なしには語ることができないわけで。その議論は、ある種の2次創作にも通じるというか。