「まんがタイムきららCarat」9月号
感想書くの遅すぎですね。
「GA 芸術科アートデザインクラス」(きゆづきさとこ)
今回も頭よさげで感心する。
が、こういう風に頭がいいのを見せられても困る。もっと観念の炸裂する瞬間が見たい。
「とらぶるクリック!!」(門瀬粗)
えー、兼部ってそんな大変なの?
それはともかくこの作者の友情観には疑問がある。
「謎部のアレ。」(友吉)
手続きなしにこういうことをやられても良くない。萌え4コマとして成立しない。
オリキャラの異常な行動に説得力を持たせるための努力をするつもりが無いように見える。例えば、学内に存在する怪しげな部活の名前を「謎部」にする、という時点で完全に負けている。「謎部」という言葉は、あるキャラクタの性質や、作品全体の思想を支えることが出来ない。作品世界を構築するときに手抜きをした、と宣言しているだけだ(「SOS団」や「中村探検隊」と比べてみればいい)。
2次創作においては読者と作者の間に相当数の共通認識があるので、多くの手続きを省略できる訳だが、萌え4コマではそれを省くと上手く行かない。柏葉巴が異常な行動を取るのと、オリキャラが異常な行動を取るのは、意味が全く異なる。
「たまごなま」(あぼしまこ)
別の雑誌にさっさと行った方がいいと思うよ。
「まじん☆プラナ」(nino)
そういえばこの作品は「あっちこっち」と並ぶ技術派であるなあ。正確無比なキャラクタ造形は、見ていて気持ちが良い。
技術派百合作品が待ち遠しい――と思ったが、この手の技術は主人公が男性であるという矛盾から逃れ続けるためにあるので、難しいかもしれない。
「CIRCLEさーくる」(榊)
「げんしけん」のような――という比喩が大嫌いだ。
偽物の諦念を共有しようと迫る、そのくせ作者自身は漫画の才能によって安全な立ち位置に居る、あの作品が嫌いだ。「『げんしけん』のような」という比喩は、無自覚にその諦念を受け入れる行為だ。
その種の諦念がこの作品にも漂っている気がする。
「FOOL×2」(霜田宰)
第1回ほどではないが、今回も成立している(前回は酷かった)。
こうなってくると、連載を期待したい。
「鳩町まめっこイグニッションズ」(櫻太助)
今回の「とらぶるクリック!!」は怪しいと思ったが、こちらは逆にぎりぎり成立しているように見える。